医療法人カタツムリについて：江別こころのクリニック

「江別こころのクリニック」を平成22年5月に開業しましたが、心意気としては、小さなクリニックながら入院以外のすべての精神科的要請に応えられるものをとの思いでした。大学を卒業して以来、公的総合病院精神科での臨床を続けて来たので、統合失調症患者さんの生活支援を視野に入れたより機動性のある精神科クリニックを公的な形で設立するとの思いで、当初から医療法人化をめざしておりました。そのために精神科デイケアを併設しました。

 

法人名の「カタツムリ」は、中井久夫先生（神戸大学名誉教授）が統合失調症の患者さんへの治療的接近のあり方について述べていることを大切にしたいとの思いで付けました。中井先生は「押しつけがましさの回避―カタツムリ物語」として以下のように述べています。 『患者はカタツムリに似ている。･････緊急介入はありうるのだが、その他の時は、患者がどう感じ何を望んでいるかを行動あるいは言葉のはしばしから汲み取って、患者の後を一歩おくれてついてゆくのがよいと私は思う。』

 

私は統合失調症の治療を中心に臨床精神医学を専門として来た精神科総合医であると自認しております。標榜科目を精神科のみとしたのも私のこだわりで、まだまだ社会にある精神科への偏見を少しでもなくしたいとの思いがあります。診察室では子供（思春期）からお年寄りまでこの壁を越えていらした方は基本的に受け入れております。

 

私をはじめスタッフ全員は、クリニックの基本姿勢である『病気を治す作業は、患者・家族・医療者との協働作業である』との思いを同じくしており、多職種による協働をもって患者さんたちの生活自立を支援して行こうと取り組んでいます。